2014年8月16日土曜日

飛行機が飛ばない日。〜その3〜




はからずも3部作となってしまった石垣島の台風シリーズ。
今回でフィナーレです。(前回のお話は こちら からどうぞ。) 


<ここまでのダイジェスト>
石垣での素晴らしい旅も終わりに近づき、
夜の便で東京へ帰ろうとしていたところへ忍び寄る台風の影。
飛行機会社のサイトを見ると情け容赦ない「運航検討中」の文字・・・
とにかく一度空港へと向かった我々を待っていたのは、カウンター前に並ぶ長蛇の列だった。
果たして飛行機は飛ぶのか?!どうなる、タネビバ一行!!



・・・まあ、そんなわけで、
とにかく状況を見ようと空港へ着いたはいいものの、
当然みんな同じようなことを考えるわけで、めっちゃ並んでたんですね。


一緒に旅行していたメンバーで、その日に帰る予定だったのは私の他に2人。
その2人はスカイマークだったので、便の変更もできず、とにかく飛ぶのを信じるしかないという状況に。
私は諸々の事情により、たまたまリッチにANAなんてとってたものだから、逆に迷う羽目に。。


その時、私に残された選択肢は二つでした。

1.一人でここに残って、とにかくこの長蛇の列に並ぶ。
2.飛ぶのを信じてみんなと一旦宿に戻る。


頭ではぐるぐるといろんな考えが巡っていました。
並んでもどうなるわけでもないけれど、もしかしたら便の変更ができるかも。
新しい情報が得られるかもしれないし。でも・・・。


この旅の主催者で、空港まで送ってくれたこーちゃんが心配そうに言ってくれました。


「どうする・・・?」



わかっていました。

今までの自分なら、たぶん1.の方を選ぶはず。
意味ないかもとわかっていても、可能性が少しでもあるならそうしたい。
それが、今までずっと通してきた自分のやり方でした。

でも、どこか、ぎりぎりのところで何かが、そうさせないようにしていました。

その時、私には聞こえていたのです。


心の奥から響いてくるかすかな声・・・
その声は小さく、でも確かに力強く、こう言っていました。



私、一人でここにいたくない。みんなといたい。
 あの家に戻って、みんなで一緒に朝ご飯食べたい。



いやいやいや、状況分かってんの、
そんな能天気なこと言ってる場合じゃないでしょうと、
頭では考えながらも、気づくと私は口を開けていて、



「 ・・・並ぶの、やめます!みんなと、戻ります!」


そう答えていました。


「うん。もう、今できることはやったと思うよ。全部やった上で手放すんだから、俺はその選択ありやと思うよ」


あの時こーちゃんが言ってくれたこと、嬉しかったなあ。



いえーい!
手放すぜ!委ねるぜ!
たとえ飛ばなくたって恐くないぜ!!


なんだかもう、みんな笑っちゃって、
両手を上げて喜びながら、車に戻りました。
実を言えば私はまだまだ超恐かったけれども(笑)、
とにかくみんなで宿へと戻ることに決めました。


すると、その瞬間、
台風が近づき荒れていた石垣の空がふっと晴れて、





だーーーー!!!


写真だと少しわかりづらいかもしれませんが、
はっきりと、車の窓越しに、虹が弧を描いていました。

まるでこの選択を、神様が祝福してくれているみたい。
そうとしか思えない、とさえ思いました。

あの時、意固地になって一人で空港に残っていたら、
決して見ることのできなかった景色でした。
一つひとつのちょっとした選択で、ほんとに運命なんて変わるんですよね。




・・・その後。

結局どうなったかと言うと・・・


私たちは石垣白保エリアで人気の「ばんちゃん」で超ハイパー美味しい朝ご飯を食べ、
観光はあきらめて宿の中でだらだらして、
何十年ぶりかに人生ゲームをやって腹の底から笑い、
近所の定食屋さんでこれまたハイパー美味な沖縄そばを食べ、
また宿に戻って語らい、
なんやかんやで、そんなこんなで、
飛行機は飛びました!


そうなんです、「飛ばない日」とかってタイトル付けてみたけど、
結局30分遅れくらいで無事に飛んだのでした〜。ちゃんちゃん。。



それにしても、あの「飛行機飛ばなかったらどうしよう」という恐怖感。

そこから見つけた自分の中のいらない執着。
とにかく手放してみたときの爽快感と、虹。
朝ご飯の後のだらだら感と人生ゲームの大爆笑。
中学の頃に友達の家に遊びに行って、でも特にやることはない、みたいなあの空気感。
見たこともない高さの波にびっくりして、みんなで雄叫びをあげる感じ。
人と一緒にいるって、一緒に生きてるっていいもんだなあ、と思った。


何から何までがプレゼントでした。
あの特別な一日のことを、私はきっと忘れないでしょう。


終わりよければすべてよし。
あんな旅はなかなかできるものではないけれど、
また呼ばれる日がくるのを信じて、楽しみに待ちたいと思います。



すべてにありがとうの気持ち。







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