2014年5月17日土曜日

あなたは魔法を忘れてない。



子どもの頃、NHKですごく好きな番組があったんです。

人形劇なんだけど、
地下の洞窟みたいなところに小人がうじゃうじゃ住んでて、
みんなで踊ったり、歌ったり…

その洞窟はおじいさんと犬の住んでる小屋の穴と、
巨人の王国にも繋がっていて、
たまに小人たちが冒険に出かけて見つかりそうになったり、
食べられそうになったり(!)。
でも最後は無事に帰ってきて、皆でまた歌って終わる…


詳しいストーリーも、名前も歌のメロディも、
何も思い出せないのだけれど、
少し前になぜかどうしてもこの番組のことが気になって、
むやみやたらに検索をかけてみたんです。
そうしたら、見つかりました!見つけたいものは見つかるもんですね!
IT社会バンザイ!



「フラグルロック」という番組だったんです。





踊ろうよ♪ 嫌なこと忘れ♪ 大きな声で♪ 歌え楽しく♪
働こう♪ 踊りなんて忘れ♪ いつも元気な♪
ここはフラグルロック!


…この歌を再び聞けただけで泣きそう・゚・(ノД`;)・゚・
 

後で知りましたが、
作者はあのセサミストリートでマペットを世界に知らしめたジム・ヘンソンで、
日本では85年ごろにNHK教育で放映されていたようです。

私はたぶん当時小学一年生くらいだったと思うんですけど。
知っている人がいるかどうか・・・。


小人たちは「フラグル」といって、それぞれに名前がついてました。
フラグルロックにはさらに小さな小人たちがいて、
クリスタルでできた塔をおやつにしていたりするそうな。

なんて魅惑的なストーリーと、楽しげな唄だったんだろう!



・・・実は、この番組について、
心の奥の奥のほうで、かすかに気にかかっていたことがあったんです。


私、あんなに好きだったのに、なぜか最終回を見た記憶がない。
なのに、なぜだか、とても大事なお話だったような気がする。

思い出したい。思い出さなくてはいけない。

なんでだか知らないけど、何となく、ずっとそう思っていたんです。
それはもう、約25年ほど(!!)の間、ずっと。

それで、今になって、調べてみたんですね。
ていうかなんで調べようと思わなかったんだろう、と思いながら…
IT社会バ(以下略)!


やっと見つけた最終回は、こんなお話でした。
ちょっと長くなりますが、とても大事なお話。
興味のある方は読んでみてください。


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犬と小屋に住んでるおじいさん。
彼はフラグルの存在を全く信じていないために、実はフラグルの姿が見えない。

でも、最終回のちょっと前にたまたまゴーボー(フラグルの名前)がおじいさんの所に行く。
そこでおじいさんの親友が遠くへ行くことになるという電話を聞いてしまう。
落ち込むおじいさん。気の毒に思ってゴーボーがおじいさんに触れた時、
おじいさんにフラグルが見えるようになる。

最終回、おじいさんは親友についていくため引越すことにする。
おじいさんは引越す日に手紙を穴の前に置いておく。

手紙を読んだゴーボーは落ち込んでゴミー様(フラグルの知恵袋みたいなお婆さん)に相談に行く。
ゴミー様に「私達は誰でも魔法」、「魔法を忘れてはならない」というお告げをもらって、おじいさんに伝えに走るが、すでに家はもぬけの殻。
そこにテープレコーダーを残していたおじいさん。ゴーボーたちは再生する。
友達になりたかった、ごめんねみたいなことを言ってる。

場面変わって新居に着くおじいさん。
犬と前の家に引越したときに壁際に箱が置いてあって、
どかしたらあのフラグルの穴が開いていたね、
という話をしているときに新居にも壁際に箱がある。
思わせぶりにどかしてみるがやはり穴はない。

再びフラグル達、ゴーボーを慰めつつ帰路に着くときに
「友情って永遠」「そう一生『忘れない』」という言葉に反応するゴーボー。
ゴミー様に言われたことを思い出す。
魔法を忘れてはいけない→僕らは魔法→僕らと博士は離れてはいけない!
ということに気づくと、さっきまでなかった新しいトンネルを発見。
そこをみんなで通る。

再びおじいさん。犬に向かって独りごとを話している。
「フラグルに会えたことで自分は変わった。
これは魔法だ。すべては考え方次第。
君も私もみんな、すべては魔法なんだ。

私達があの壁にフラグルの穴があると信じればある、かもしれない…」
すると箱をどかしてゴーボー登場。ゴミー様の言葉をじいさんに伝える。

そしてキャラ総登場で主題歌の替え歌(「踊ろうよ」「働こう」のところがすべて「魔法はいいな」に変更されてる)。
歌いながらおしまい。


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…観たことない方に伝わるかわからないですけど……
私はこれを書きながら一回泣きました(ノД`;)


そうして、すべてを思い出しました。

私、この最終回、見ていたんです。
でも、その日は旅行に出かけることになっていて、
どうしてももう行かなくちゃならなかった。
それで家を出る直前に目にしたのが、
フラグルたちが新しいトンネルを見つけたシーンだったんです。

いつもと違う幻想的な音楽がかかる中、
クリスタルのちらちらきらめく不思議な道をみんなが歩いていく……




だから、気になってたんです。
あの後、フラグルたちがおじいさんに会えたのかどうかを、
ずっと知りたかった。


ここまで思い出した時、
もう、古いパズルのピースがばちこーん!とはまったかのような感覚で…
何か、思い出以上に大事なものを取り戻したような気がしました。

ああ、誰に言えばいいのかわからないけれど、
本当にありがとう。。



「魔法を忘れてはならない」


という印象的な言葉、
現地アメリカでは "you cannot leave the magic." という台詞だったそうです。

たしか…昔の記憶をさかのぼると…笑
cannotは否定の命令形(〜してはいけない)としても使われる表現でしたよね?

でも、たぶん、フラグルたちは最後に気づいたんだと思います。
ゴミー様は「魔法を忘れるな」と命令したんじゃない。


「私たちは魔法を忘れることはできない」


という事実を言ったんだって。

全ては魔法。
もし私たちがそういう風に世界を見るなら。

"Everything's magic, if you see it that way."


思い出せないことと忘れてしまうことって、
どうやら根本的に別物のようです。


ほんとは忘れてないんだと思うな、私もあなたも。



 
「一度あったことは忘れないもんさ。
 思い出せないだけで。」

映画「千と千尋の神隠し」より、銭婆の台詞。


2 件のコメント:

  1. フラグルロック!
    ありがとうございます!!
    自分も昔からこのテレビを探してました、年に何回か探してましたが、やっとこの記事で見つかりました💦

    自分が探したキーワードは
    「いつも元気な 働こう ことわすれて」
    でした(笑)

    ほんとに分かって嬉しかったです!!
    まだネタバレになりそうなので、文章を読んでませんが、全部見たらまた考察を見てみたいと思います!

    本当に思い出のアニメを見つけさせて頂きありがとうございました!

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  2. コメントありがとうございます^ ^
    ずいぶん前に書いたブログですが、お役に立てたなら何よりです。
    私の他にも思い出のアニメとして探されていた方がいたんだなと思ったら嬉しかったです。
    素敵なお話ですよね。
    こちらこそありがとうございました^ ^

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