2013年12月8日日曜日

ご機嫌な法則




大学で東京に出てきてからほぼ10年。

その間に4回の引越しをして、
その度にいろんな物をけっこう大胆に捨ててきました。

良いか悪いか、そんなわけで、
「昔から持っていて今でも手元にあるもの」
というのが極端に少ないのです。


特に、本。


買っては売って、買っては捨てて、
時には本棚さえ買って処分してまた買って、
ラインナップ総入れ替えくらいのリニューアルを繰り返してきました。


そんな中で、一冊だけ、ずっと持っている本があります。


おそらく中学三年生くらいの頃に、
地元の本屋「オークス」(その後何年かして潰れてしまった)で、
自分のお小遣いで買った本・・・


ご機嫌の法則100
ディスカヴァー21、1996年第3刷


今なら自己啓発本のコーナーに並ぶような類の本かもしれませんが、
当時はまだ自己啓発なんて言葉は出回ってなかった・・・(たぶん)。


ページを開くと、ちょっぴり不思議な言葉の数々が、
素朴なイラストと一緒にぱらぱら並んでいます。


 この人生が、ご機嫌なものでありますように。
 努力しないでも、ご機嫌でいられますように。
 もし、来世というものがあるのなら、
 そのときこそは、まじめに生きますから。


 もちろん、きみは、特別な人です。
 でも、誰かより、特に特別なわけじゃない。


 「わたしとしたことが!」だって?
 その「わたし」って、いったい、誰なんだ!


などなど・・・
繰り返し読みすぎて、表紙はぼろぼろになり、
ほとんどの言葉は覚えてしまった。

その言葉の一つひとつが、
友達との関係やら、片思いやら、自分への自信のなさやら、
いろんなことに悩みの尽きなかった、
思春期のわたしをすくい上げてくれたのでした。

しかも、その後も何年も、いや今でも、
その効力は続いていきました。

何か気持ちがしんどくて苦しくなった時、
ふと頭にある言葉が浮かんで、
少しだけほっとして、気分が柔らかくなることがあります。
それは大体いつも、この本に書かれた彼らの役目でした。



自分にとって、ちょっぴり特別な本。



いつしか芽生えたのは、
「いつかこの本を書いた人に会ってみたいものだ・・・」という思い。



本のあとがきを読んで、
ディスカヴァー21という会社が広い東京のどこかにあって、
本を書いたのは「コーチング」ということをしている人だ、
ということを中学生の私は知りました。

いつか直接話を聞いてみたいな。
コーチングって、知らないけど、どんなものかな。

何となく、そう心のどこかでずっと思っていたんです。



・・・大人になるって、すごいですね。



ひょんなことから、仕事上の繋がりで、お会いできてしまいました。
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンの代表取締役であり、
コーチ・エィ代表取締役会長。
日本におけるコーチングの第一人者とも言われる、伊藤守さん。

まあ、講演会を聞きに行っただけなんですが、
すごい至近距離だったからドキドキしました。

こんなに簡単に会えちゃっていいのか、っていうくらい呆気なく。
その名前に憧れを抱いた会社も、歩いていける距離にあったことを知る。

伊藤さんは、予想どおり、小柄で優しげな目をした、人のよさそうなおじさんでした。
言ったらあれだけど、普通のおじさん(笑)
でも、普通のおじさんは、あんなに無防備にニコニコしないですね。
それに、ぴっかぴかのいい靴をはいてました。

そして、話し方が、本の書き方と一緒でした。
それだけで、なんだかすごく嬉しかった。


「人は思っていることを口にしているのではなくて、
 口にしない限り何を思っているのか気づかない生き物なんです」

とか、
やっぱりわたしの好きな感じのことをたくさん話されていました。

今にして思えば、コーチングの考え方だったのかも。私が惹かれていたのは。。


今年は本当に、これまでずっと会いたかった人にうっかり会えてしまう機会が多くて驚いています。
夢が叶うっていうのはそんなものなのかもしれないですね。
自分がブロックをかけさえしなければ、案外あっさり叶ってしまうもの。



最後に・・・

そういえば、昔から一つだけ、
この本に書いてある言葉の中で、
どうにも意味の分からない言葉がありました。

耳ざわりはいいんだけど、
よくよく考えると、何言ってんだろ?みたいな。

最近になってようやく、なんとなく、分かってきた気がします。

別の言葉で説明しようとすると難しいし、
つまらなくなるからやめておきますが・・・
 
大事なことはいつもシンプルで、シンプルすぎて、
気づくのに時間がかかります。



『神さまがあなたを探しています。
 あなたのほうから、あちこち探し回らないでください。
 神さまと鬼ごっこになってしまいます。』





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