2014年2月9日日曜日

いまを踊れば、それでいい





前回のブログ で、
『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社、2013年)
という本について書きました。

心理学のことを書いた本なんだけど、
うまい具合に物語風にまとめられていて、
主人公の青年がだんだん自分に見えてくる。
というか、自分にしか見えなくなってくる。

にやにやさせられ、はっとさせられ、泣かされて。

そんな中でも一番、
ぐいっと心つかまれたところは・・・


以下、青年と哲学者のやりとり。
 

「あなたは後ろを見ることを否定しながら、前を見ることまでも否定しているわけです。そんなものは、まるで道なき道を目隠ししたまま歩けといっているようなものだ!」
「後ろも前も見えない、と?」
「見えません!」
「当然のことではありませんか。いったい、どこに問題があるのでしょう?」
(P270)




・・・当然のことではありませんか、いったいどこに問題があるのでしょう?



大半の人が引っかかるところではないかもしれないけれど・・・
私の心にはこれが、クリティカルヒット!



実は、ここ一年、何かと不安定な状況が続いていて、
(少なくとも自分ではそう思っていて、)

「自分史上最大に先が見えない」

と感じていました。


こんなに先の見通しが立たないこと、今までなかった。
数ヶ月後に自分が何をしているのか、何をすればいいのか、
全然わからない。
先が見えないことが、不安で、恐くてたまらない。
ああ、未来が少しでも見えたらいいのに・・・。
と。


でも、

そもそも、

後ろも前も「見えなくて当然」だった・・・!



「今までは何となく未来が見えてた」

それってただの思い込みじゃん。

別に本当に見えてたわけじゃない。
ただ、見えるような気がしていただけ。


過去も未来も見えてたことなんて一度もない。
わたしたちは、「いま、ここ」にしか存在できない。



だから、ダンスするように生きなさい



そういうことが書かれていました。

目標を頂上に置いて、山登りするような人生ではなく。
いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きなさい、と。


そうだよ。


いまを踊れば、それでいいんだよ。



・・・頼もしすぎて泣けました。
今の自分にとって、これ以上嬉しいアドバイスはなかったのです。



けっこうネタバレ的なことを書いてしまいましたが(笑)、
興味のある方には、お勧めできる本です。




最後に・・・

この本の帯を書いている伊坂幸太郎さん。
彼が以前、こんなことを書いていました。

これ、ほんっと〜にいい文章なので、
よかったらもう少しだけお付き合いください。。
(結局長くなってごめんなさい・・・)


伊坂さんは仙台の作家さんで、
東日本大震災の時にも仙台市内のカフェで小説を書いていたそうです。
そんな彼が地震後のことを初めてコメントしているのが
『仙台ぐらし』(荒蝦夷、2012年)。


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三月、あの地震があって以降、僕はしばらく、小説が読めなかった。部屋にひっくり返った本を片付けることはおろか、手で触れるエネルギーもなく、音楽も聴けなかった。娯楽とは、不安な生活の中ではまったく意味をなさないのだな、とつくづく分かった。だから、これからいったいどういう小説を書くべきか、という悩み以前に、もう、小説を書くこともできないのだろうな、とそういう気持ちにもなった。
(中略)そしてつい最近のこと。友人のもとに、海外の知り合いからメールが届き、次のようなことが書いてあったらしい。「Keep going, and keep doing what you're doing.....keep dancing.」(今やっていることをやり続けなさい)その言葉は僕にとって、一つの(唯一の)真実にも思えた。自分のやっていることの意義や意味は分からない。罪悪感や後ろめたさもたくさんある。ただ、とにかく、今やっていることをやり続けなさい。今踊っているダンスを踊り続けなさい。それ以上のことを、自分の仕事において考えることは傲慢にも思う。僕は、楽しい話を書きたい。
(P163)
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震災後の地に足つかない時期にこれを読んで、
その時も、やっぱり少し、泣いた(笑)


keep dancing.


いまを生きる私たちは、
いまを踊ろうじゃありませんか。









同じ阿呆なら踊らにゃ損損!









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